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 デジタル・デバイドとは何か

  電子的アクセス能力の2極化をいう。電子的アクセス能力とは、携帯電話も含めたネットワーク経由での情報のアクセス力であり、おおむね若い人ほど その能力が高いと思われている。
 しかし実態はそうとも言い切れない。電子的アクセス能力は、アクセス環境 +IT技術+IT知識の総合点で計られるものであり、最も高得点なのはなんといって も日夜システム開発に明け暮れるIT業界人であろう。

 学生は、おおむね得点が高いが、情報系を中心とした理工系学部と文系学部では得点にかなりの差がある。また、小学校〜高校までは、パソコン教育を 積極的に行っている一部私学を除いて、実は得点がかなり低い。理由は、インターネット環境が学校にはあるものの、 教えているのがお絵かきとインターネット(ブラウザ)の操作ぐらいだからである。教師側の平均年齢を考えてみて欲しい。

 ある高校で、クラスメイトにパソコンを使えるか聞いたところ、4人しかもっていなかったという話がある。5段階評価で1か2といったところ。
 またある有能な投資会社の為替コンサルタントは、日ごろパソコンを使用してドルレートをウォッチしているにもかかわらず、自宅にパソコンがなく、息子に教わろうとしたが匙を投げられたそうである。

 デジタル・デバイドは当初、お金に余裕のある世帯とない世帯でのアクセス能力に差が出ること、そのために社会的不利益を一部の世帯が受けること、 を指摘する言葉であった。しかしパソコンが安価になり接続料金も安くなった今、もはや経済的理由ではなく、デジタル適性とでもいうべき生来の能力の有無がその分かれ目となっている。

 デジタル・デバイドによる具体的な得失

 学生が就職先にアクセスする第一歩がWebである。実際にその会社のHPを見る前の段階で、就職サイトへ行き条件を入力して検索する。 次に数社〜数十社に絞込み一括資料請求(!)を行う。個々の会社を調べるのはその後である。
 この段階でインターネットに慣れていないと不利、といわれるが、今では大学の学生課にPCが並んでいて、そこから操作すればいいので、自宅にある必要はない(あったほうがじっくり調べられるが)。 但し、履歴書をインターネットで送ったり、セミナーの申し込みをWebからしか受け付けないところもあるので、ネット環境が必須であるともいえる。

 しかし、重要なのはこういった表面的なアクセス手段ではなく、スキルなのである。面接で必ず聞かれる質問は「パソコンはどれくらい使えますか」。 新卒採用に限らず、中途採用、アルバイト、契約社員、派遣社員、すべてに共通して聞かれる質問なのである。
 ある意味では、やっかいな時代になったといえよう。電話のとり方、接客の仕方、お茶の入れ方、挨拶の仕方などの「基本動作」のひとつにパソコンが参加したといっていいだろう。

「パソコン持ってます。毎日使ってます」--これが3点
「エクセルのマクロが組めます」--これが4点
「ホームページを公開してます。データベースも使えます」--これが5点
くそったれーーー!
と、いいたくなる人もいるだろう。
Wintel(Windows−Intel連合体)の陰謀だ!
と、思う人もいるかもしれない。
 しかし違う。企業の採用基準が正しいとは言い切れないが、今の時代、「パソコンなど使えてあたりまえ」なのである。それくらい、日常生活や業務に密接に入り込んでいるのがコンピュータ+ネットワークなのである。

 したがって、それらの利用技術(=IT技術)はすべての職業で必須となる。企業内研修で教えてくれるところも多いが、技術は日々、進化しているので、企業自体が追いついていけないのが実態である。

 「これからはWebサービスでしょう。御社もサーバ構成を見直されたほうがよいですね。VPNを導入して在宅勤務も可能にしていくべきでは」

などという学生がいたら、面接官は「くそったれーーー!」と思いながらも反論できず、最終的には採用するほかはない。
……それが現状である。
ITの力は水戸黄門の印籠並みなのである!
 得失は明らかだ。電子的アクセス能力は電子的スキルの向上をうながす。

電子的アクセス能力が高ければ、

  • 情報収集能力が格段にアップし、
  • 行動力がアップし、
  • 人的ネットワークが広がり、
  • チャンスロス(機会損失)が少ない
ので、世界が広がるのである。
電子的スキルが高ければ、
  • 就職に格段に有利で、
  • 仕事にも活用でき、
  • 昇進もはやいため、収入が増え、
  • しかも、自分自身の道具としてコンピュータを使いこなせる
ので、人生が豊かになるのである。

 デジタル・デバイドされないためには

 中高年からパソコン教室に通う人が多い。手取り足取り、息子のような年齢の講師に教わるのだが、なかなか上達しない。まったく新しい概念を受け入れる能力は、個人差も大きいのであるが、年齢が大きく関係する。

 もっとも早道は「できるだけ早い時期からコンピュータに接する」ことである。幼稚園や小学校ではMacで遊び、中学、高校ではWindowsやLinuxでシステムを作る。すると、空気のようにあたりまえにIT技術を吸収していけるのだ。実際、そのようにして育った子供の多くは、優秀な技術者になっている。

 大変残念なことに、学校で教えてくれる先生がまだまだ少ない。家族にITエンジニアがいればラッキーといわねばならない。多くの子供たちは自力で道を開いていくしかないのだ。そのための一助として若葉塾はあるのである。

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