もう聞かない日はないぐらい有名になったIT用語、ネットワーク。略して「ネット」。
「ネットサーフィン」「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」「インターネット」「LAN(ローカルエリアネットワーク)」…。
みんな知ってるネットワーク。いやでも使うネットワーク。これなしではいまや誰も生きられないのであります。
昔はオンラインといいました。「銀行オンライン」「証券オンライン」などと言ってネットワークで情報をやりとりするシステムをオンライン・システムと呼んでいたわけです。昔のオンラインは専用回線でホスト(サーバ)と端末機を繋いでいたので、スター型がメインでした。こんなかんじですね。
今ネットワークと言っているのは、もっとぐちゃぐちゃなやつが主流です。
経路がダイナミックに決まるので、たとえば神戸大地震のときもメールが送れたのですが、複数の経路のうち1つでも生きていればオッケーだったためです。人間の脳(ニューロン==シナプス)みたいですね。
このネットワークが世界中に広がり、どでかい太平洋の海底までをケーブルが這っていたり、衛星軌道上に通信衛星がひしめいていたりで、世の中のしくみがすっかり変わってしまいました。
さて、ネットワークの解説はいまさらなのでこれくらいにして、「ネットワーク」の他の意味に着眼したいと思います。
そう、人間のネットワークです。こっちのほうが実は怖い。
「ネットワークビジネス」ってなんだと思いますか?ネットワークを利用したビジネスってことで、メールによる広告、Webでのショッピングサイト、といったようなものを思い浮かべませんか?
ところがどっこい、「ネットワークビジネス」にはまるで違う意味があります。人と人とのネットワークによるお金儲けの手法の総称です。
IT用語のネットワークとは関係ありません。具体的には、ねずみ講やマルチ商法などが該当します。
ねずみ講:
ある日、あなたに知人からハガキがきて、
「1000円を下記のリストの5人に送ってください。そのあと、同様のハガキをできるだけ多くの友人に送ってください。2週間後にはおよそ200万円があなたのもとにとどきます。そのしくみは…」
などと書いてあったら、それはねずみ講です。
最近ではハガキのかわりにメールを使用することも多いようですが、本質的にはおなじです。
これは違法行為なので絶対に参加してはいけません。でも、ねずみ講のしくみは良くできていて、パズルのように面白いので、なぜ多くの人がだまされるのか研究してみるとよいでしょう(だまされないためにも)。
マルチ商法:
ねずみ講に似ていますが商品を販売するところが異なります。
なべや化粧品などを知人に売りつけ(代理店)、さらに買った人にも代理店をやらないかと誘います。
売上は売った人だけでなく、誘った人にも分配されるので、大勢誘った人は大もうけできる(ハズ)というしかけです。
これも違法性が高く、法律とマルチ商法のあいだでいたちごっこが続いていて、法律が改正されると同時に何人も逮捕される、ということがよくあります。もちろん、参加してはいけません。
どちらのネットワークビジネスも、人と人との繋がり(ネットワーク)が倍倍に増えていくことで成り立ちます。
しかし、このネットワークの端は閉じていません。
最初のうちは儲かりますが、後半は皆被害者(=赤字)となります。被害者がいる以上、加害者もいるはずで、それが「前半儲けた人々」ということですから、どちらになっても自慢できることではないのです。